していくつもりはあるが。
■さて、各楽器の習得の仕方を書いてきた。だが、吹奏楽をやる皆さんに思い出して欲しいことは、 「なぜこれらの事が必要なのか」と言うことだ。いつ要求されるのか、なぜ要求されるのか、なぜ要求されたらやらなくてはいけないのか。
■同時に3つの要素音色・機動力・幅広さの内、3つ目の「幅広さ」は他の2つと性質が違うことに気づかれただろうか?この2つの問いは 共通の要素をもっているのだけども。
■言ってしまえば、結局「曲を吹くために」これらのことは必要なのである。吹奏楽に夢中な人によくある傾向として、 基礎にばかり執着し、元々の「曲を吹く」という目的を忘れてしまうということがある。
■基礎は確かに大事だ。しかし、なぜ大事なのかと言うところを忘れてしまえば本末転倒である。だから、目的のない基礎はまったく意味のない、 時間の無駄遣いである。
■まず曲を吹く。合奏の曲でもエチュードでもいい。そして吹けない部分、難しい部分に直面する。今の技術では吹けないという現実を認識する。 そこで初めて基礎の必要性が生まれるのだ。吹けない部分を吹けるようにする為に、それ特有の基礎練をする。そし
て、それは次に似たような 場所を吹くときにも生きてくる。
■逆に目的を持たずに基礎練だけやったとしても、実際に曲中で出てきたときに対応しきれない。基礎と曲は違うのだ。
■そこで3つの要素のうち、「幅広さ」の特質性が問題になってくる。他の2つに対しての違いは、ただ曲を淡々と吹くのであれば必要のない技術なのである。 曲を吹く上で必要な表現、ダイナミクスやアーティキュレーションから、場面・感情の表現まで、それらをあらわそうと思ったら、 それなりの技術が必要になってくる。それを可能にするのが「幅広さ・柔軟性」なのだ。
■欲しい技術があったときに、どういう練習が必要なのか わからなければどうしようもない。人に聞くと言う手もあるが、自分の楽器の特性を知っていれば、自分の想像力で練習法は考え付けるものだ。
■楽器を吹くときに、この楽器はどういう楽器なのか、自分はその楽器を使ってどんなことをしたいのか、それをするためにはどうすればいいのか。 目的を見失うことなく、常にリアルタイムでその曲、その楽器と向き合ってこそ、本当の音楽と言うものが生まれるのではないでしょうか?
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